ＮＹ時間の午後に入ってポンドドルは買い戻しが続いており、一時１．０９ドル台まで買い戻されている。トラス英首相の大型減税を含む経済政策の発表で英国債とポンドが不安定になっている。景気への期待以上に財政負担への懸念が市場の不安を高めているようだ。　英国債は急速に売られ、利回りが急上昇していたが、英中銀がきょう、英国債の無制限購入を発表し、ひとまず落ち着いている。英中銀は本日のオペで１０．２５億ポンドの英国債を購入したと発表。英中銀は、当初は１回の入札で最大５０億ポンドのペースで購入すると発表し、本日は２５．８８億ポンドの入札があったが、一部のオファーを割り当てないという裁量を行使した。　ポンドの反応は発表直後こそ買いが強まり急伸したものの、その後、直ぐに売りが強まり、１．０５５０ドル近辺まで急落していた。英中銀の英国債購入は市場を落ち着かせる行動ではあるものの、同時に量的緩和（ＱＥ）拡大にもなる。現行の方向性とは真逆。ただ、ＮＹ時間に入ってドルの戻り売りが強まり、ポンドドルも短期筋によるショートカバーが活発に出ているようだ。GBP/USD　1.0895　GBP/JPY　156.90　EUR/GBP　0.8940MINKABU PRESS編集部　野沢卓美

通貨オプション　リスクリバーサル　ドル円　　1.05-1.50　　円コールオーバーユーロ円　　1.39-1.83　　円コールオーバーポンド円　　1.73-2.37　　円コールオーバー※リスクリバーサルとは同じ権利行使期日、取引金額、25％デルタのコールとプットを反対売買したときの差額をあらわしたもの。理論上はコールとプットの価格は一致するが、実際のマーケットでは通貨の需給に偏りがあるため、差額が生じる。

※経済指標【米国】MBA住宅ローン申請指数（09/17 - 09/23）20:00結果　-3.7%予想　N/A　前回　3.8%（前週比)卸売在庫（速報値）（8月）21:30結果　1.3%予想　0.5%　前回　0.6%（前月比)中古住宅販売成約指数（8月）23:00結果　-2.0%予想　-1.6%　前回　-0.6%（-1.0%から修正）（前月比)※発言・ニュース米７年債入札結果最高落札利回り　3.898％（WI：3.903％）応札倍率　　　　2.57倍（前回：2.65倍）ボスティック・アトランタ連銀総裁・年末までに４．２５－４．５０％までの政策金利の引き上げを支持。・金融政策を緩やかに抑制的なスタンスにする必要。・米経済はまだ相当な勢いがある。・インフレは高過ぎるし、十分な速度で低下していない。エバンス・シカゴ連銀総裁・利上げ継続に明確な支持がある。・米国のインフレは高過ぎる。ＥＵ、新たな対ロシア制裁措置提案　ＥＵが新たな対ロシア制裁措置を提案した。提案された制裁案にはロシア製品の輸入禁止拡大や主要技術のロシアへの販売禁止が含まれる。欧州委員会のフォンデアライエン委員長は「われわれはロシアにさらなるエスカレーションの代償を払わせることを決意している」と述べた。エルダーソンＥＣＢ専務理事・ＥＣＢはさらに金利を引き上げるだろう。・現在のインフレは高過ぎる。・インフレは長期に渡り、目標を上回って推移する可能性。カザークス・ラトビア中銀総裁・次回の利上げは大幅である必要。その後は小幅に。・１０月の理事会で０．７５％ポイントの引き上げを支持する。

　ホワイトハウス関係者によると、イエレン米財務長官は中間選挙後も財務長官に留まる用意があると語ったという。ブルームバーグが関係者の話として伝えた。ホワイトハウスのスタッフは１１月の中間選挙後、バイデン大統領の経済チームを含む閣僚やその他の上級職員の離職や異動に備え始めている。　上級ポストについて最終的な判断を下すバイデン大統領が、何らかの変更を望んでいるかどうかについては、これまで明らかにされていない。新しい財務長官なら上院の承認が必要となる。

ドル円理論価格　1ドル＝138.55円（前日比+0.15円）割高ゾーン：140.01より上現値：138.69割安ゾーン：137.09より下過去5営業日の理論価格2022/11/29　138.402022/11/28　137.712022/11/25　138.432022/11/24　138.252022/11/23　139.23（注）ドル円理論価格とは？Klugチームが独自に開発したシグナルです。金利差、リスク許容度など様々な要素を勘案し、コンピュータで自動的に計算しています。理論価格を上回れば割高、下回れば割安と判断します。行き過ぎた相場は振り子のように修正されるため、押し目買い、戻り売りのメドを探す上で参考になります。

　　　ポンド円 　　豪ドル円　　カナダドル円始値　　155.42　　93.19　　105.50高値　　157.09　　94.03　　105.94安値　　152.57　　92.13　　104.62終値　　156.96　　94.00　　105.85

　　　　ドル円　　ユーロドル　　ユーロ円始値　　144.80　　0.9594　　138.91高値　　144.87　　0.9751　　140.40安値　　143.91　　0.9536　　138.06終値　　144.16　　0.9735　　140.35

テクニカルポイント　ポンドドル、上昇トレンド継続も２００日線が上値抑える1.2275　ボリンジャーバンド　2σ上限（21日間）1.2169　200日移動平均1.2079　エンベロープ1%上限（10日間）1.1998　現値1.1959　10日移動平均1.1959　一目均衡表・転換線1.1840　エンベロープ1%下限（10日間）1.1742　21日移動平均1.1652　一目均衡表・基準線1.1647　100日移動平均1.1249　一目均衡表・雲（上限）1.1210　ボリンジャーバンド　2σ下限（21日間）1.1102　一目均衡表・雲（下限）　ポンドドルは９月の急落局面の後は、上昇トレンドを形成している。直近２週間では１０日線がサポート水準として機能している。ＲＳＩ（１４日）は６０．３と、強い買いバイアスを維持している。一方で、上昇には２００日線が控えており、上値抵抗水準となっている。現在は１．２１６９レベルに位置している。目先の上値メドとして注目される。

エルドアン・トルコ大統領　利下げ継続を明言、年末までに政策金利を一桁台にトルコのエルドアン大統領は、さらなる利下げを望んでいると述べた。エルドアン氏は28日、金利はさらに低下し、上昇することはないとして、10月以降も金利を引き下げ、今年末までに政策金利が一桁台になることを望むと語った。エルドアン氏は、80%を超えるインフレ率を抑えるには金利の引き上げが必要だと指摘する経済学者の意見を無視。利下げがインフレを抑えるとして、中央銀行に対し年末までに政策金利を10%未満に引き下げるよう求めた。ブルームバーグが報じている。トルコ中銀は今月22日に政策金利を13.00%から12.00%に引き下げた。利下げは2会合連続。

朝のドル円は１４４円１０銭台推移。米債利回り上昇一服で高値から調整=東京為替　海外市場でドル円は144円台後半から144円割れまで下落。一時4%を超えていた米10年債利回りの上昇一服などがドル売りとなった。英中銀の超長期債購入による英国債利回りの急低下と、混乱回避期待が、ポンド高ドル安となりドル高に一服感も。USDJPY　144.14

ドル売りの動き広がり、ドル円は138円台半ば割れ、ドル全面安に=東京為替　ドル全面安基調が強まる中で、ドル円は138円台半ば割れ。豪ドルドルなどを中心とした中国リスク後退でのドル売りの動きがドル円の重石となっている。USDJPY 　138.43

【本日の見通し】ポンドの動きへの警戒続く、ドル円は介入警戒後退も、要注意　ドル円は海外市場でのドル高一服で144円割れの場面が見られた。もっとも依然高値圏推移が続いている。一時の急激な円安が抑えられただけに、介入への警戒感が後退しているが、前回高値を超えるような動きが出て、一気に上昇を見せると、介入が行われる可能性があるだけに、要警戒、　ポンドは英中銀の長期債購入がいったん大きな上昇を誘った。ただ、利上げを積極的に行う中での国債購入(量的緩和)で矛盾のある政策だけに、不安定な動きが今後も続く可能性。金融システム不安からの急落という意味ではかなり後退しており、フラッシュクラッシュ的な動きへの警戒会は後退も、動きに予断を許さないところ。MINKABU PRESS 山岡和雅