週明けの東京市場で、ドル円は特段の調整の動きもみせずに117円台後半へと上昇している。市場では118円台乗せが意識されているようだ。今週は米FOMC会合が開催される。市場では0.25%利上げをほぼ完全に織り込んでいる。ウクライナ情勢を受けて0.5%幅の利上げ観測は封印されている。ただ、次回以降はウクライナ情勢次第ではインフレ対応の必要性から大幅利上げの可能性も指摘されている。
ウクライナ情勢に目を転じると、まだ収束する動きはみられず。ロシアの攻勢はウクライナとポーランドの国境近くの軍事施設にも及んでいる。首都キエフ近郊では米ジャーナリストの死亡も報じられていた。米国は中国に対してロシアに対する支援を行わないように強くけん制している。きょうにでも4回目の停戦協議がオンライン形式で行われる見通しとなっており、市場では合意を期待する声もでているが、楽観はできない状況だ。
そのなかで、株式市場は引き続き不安定。一方、安全資産の概念には変化もみられている。米国債が売られており、10年債利回りは一時2.05%台へと上昇する場面があった。特に緩和継続姿勢が強い日本と、米国との金利動向の対比は鮮明だ。金利差見通しの面からドル円は買われやすい状況になっている。
また、円相場が従来からのセオリー通り安全通貨なのかどうかも、ややぐらついてきている。東京などにいるとあまり感じないリスクだが、日本は海を挟んでロシアと隣接している。海外からみれば、ロシアの隣国ということになろう。地政学リスクが飛び火してこないのかどうか不安視する見方もあるもよう。
週明けは目立った経済指標発表は予定されていない。インドでは、卸売物価指数(2月)と消費者物価指数(CPI)(2月)が発表される。香港では、鉱工業生産指数(第4四半期)と生産者物価指数(第4四半期)が発表される。主要な金融当局者の講演イベント参加予定もない。昨日からは米国とカナダが夏時間へと移行している。
minkabu PRESS編集部 松木秀明